世界はまだ油断してるから

4歳と1歳半の男の子ふたりの子育てを父親目線で紹介します

節分で暗黒舞踏をやったら子どもがビビりまくった話

昨日は節分だった。
 
子どもは朝から節分モード。
 
「おうちに鬼が来ないように、僕は保育園で鬼をやっつけるから、パパは会社で鬼をやっつけてね」と言われた。
 
僕は会社で誰に豆を投げればいいんだろう、と思いながら出社。手の中に豆を握り締めながら仕事をしていたが、嫁から「鬼待ちです」の連絡があり、いつもより早く帰宅する。
 
子どもはもう4歳。普通の「鬼だぞ~」では、もう怖がらないだろう。
 
そう思った僕は、帰りの電車で気持ち悪い動画を見ていた。
 
暗黒舞踏家・土方巽の動画だ。
 
土方巽とは、60年代アンダーグラウンドの伝説的な存在。三島由紀夫澁澤龍彦横尾忠則、この辺りとがっつり親交のあった人だ。
 
この人の踊りは、本当に独特だ。全身を白塗りにしてゆっくりと重力が無いような、人間にとってあり得ない動きをしている。
 
暗黒舞踏の創始者として、海外でも知られる存在でありながら、現在、メディアで取り上げられることはない。それはきっと気持ち悪いからだと思う。生理的な嫌悪感。それを想起させるのだ。
 
でも、この嫌悪感こそ僕の求めていたものだ。
 
ということで、節分にこれを取り入れることにした。
 
家に帰り、無言のままスーツを脱ぎ、すぐに黒いタイツと、黒い長そでに着替えて全身を真っ黒にする。
 
そして、後ろを向いて鬼のお面を被り、子どもの方を向いた。
 
体をグニャグニャとして、手も変な感じに曲げてみる。歩き方もゆっくりぎこちなくしてみた。
 
そしたら子どもがギャーギャー騒ぎ出した。いつもは「ママを守るよ」と言っているのに、ママを盾にして必死で豆を投げてくる。
 
そんなもんにひるまずに、今度は低い姿勢で土方をイメージしながら気持ち悪い動きを繰り返す。
 
もはや泣く寸前の子どもが、僕の付けていた鬼のお面をはぎとった。
 
「豆が当たったら、鬼はやられないとおかしいでしょ!」
 
確かにそうだった。舞踏に夢中になってポツポツと当たる豆のことをすっかり忘れていた。
 
その後は、うわ〜と普通にやられたふりをして玄関から逃げて、ドアを閉めて急いで黒い服を脱いでパンツ一丁で戻り、「あれ、いま鬼が逃げていったよ」と小芝居をして終わった。
 
子どもはアドレナリンが出まくったようで、大満足。
 
「鬼は明日も来るかなぁ」と言っていた。
 
今年の節分は大成功だった。
 
みなさんもぜひ節分に暗黒舞踏を取り入れてみてはいかがだろうか。
 
なお、土方の踊りは下記です。興味のある人だけ見てください。
 


A Girl Tatsumi Hijikata Medium