子どもが泣く満員電車で男性の一言に救われた話
今朝の雪のせいで最寄り駅は大混雑。
都心に向かうホームは人がぎっしりで降りれない状態だったので、反対方面に回って会社を目指す。
それでも電車は混雑している。そんな中で小さな女の子の「痛いよ~痛いよ~」という声が少し離れたところから聞こえてくる。
母親の声は聞こえない。
ただ時間が過ぎて、早く到着することだけを願っているのだろう。周りも同じ気持ちだった。
それでもなかなか電車は進まず、駅について人が乗ってくると、その度に子どもの「痛いよ~」の声が聞こえてくる。
正直、嫌な予感がしていた。
ガラの悪いおっさんが「うるさい!」と怒りださないか、心配になってきた。みんなイライラしているのだ。
このまま時が過ぎてくれ。そう願っていた時、一人の男性が声を発した。
「子どもが痛がっています。どなたか席を譲ってくれませんか?」
その声に応じて、誰かが立ってくれて、おかげでその子は座ることができた。
僕はだいぶ間を隔てていたので、横顔がチラリを見えたぐらいだが、きっと子どもがいる人なのだろう、スーツを着たサラリーマンだった。
僕は電車に揺られながら、自分なら同じことが言えただろうか、と考えてしまった。
きっと言えなかったと思う。そう呼びかける発想すら無かった。
でも、その人だって、そんなアイディアを事前に用意していたわけでも無い。もっといえば、声をかけても誰も立ち上がってくれない可能性もあった。
それでも「この子のために何かできないか」を必死で考えて、勇気を出して声を出したのだろう。
すごい。すばらしい。ああいう男に私もなりたい。
今日は寒い日だったけど、何か心に温かいものが残った一日だった。