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世界はまだ油断してるから

4歳と1歳半の男の子ふたりの子育てを父親目線で紹介します

平凡にして偉大なるすべての父と母に捧ぐ~お父さんにおすすめの映画「海洋天堂」

夫婦の関係は、結婚ではなく、出産で変化すると思う。

 
子どもを育てている嫁を見ていると、それはやっぱり子どもがいない頃の人ではないなと思う。つまり、「母」になったと。
 
僕も自分なりにやれることをサポートする。家事もする。それでもいざという時のおっぱいにはかなわない。「俺にもあれがあれば、ギギギ」と思ったこともある。
 
そして思ったのは、母親は自然と母親になるけど、父親は、努力して父親にならなくちゃいけない、ということ。「そして父になる」と思っていたら、意外とならねぇな、とお困りのお父さんにおすすめの映画がある。
 
2011年に公開された中国・香港映画『海洋天堂』だ。知名度は高くないが、子どもがいる父親にぴったりの名作だと思う。
 
主人公はガンになって余命3ヶ月の父親。彼の一人息子は自閉症である。そして、母親はすでにいない。つまり、父親が死んだら、子どもは一人で生きていかなきゃならない。
 
まず彼が考えたのは自殺だった。「無理だ、生きれるわけがない」と二人で海に飛び込む。だが、死ねなかった。
 
そこから物語が始まる。
 
父親はアクション俳優のジェット・リー。いつもはかっこいい彼だが、本作では決してかっこよくない。とにかく必死である。そりゃそうだ、彼は死に、息子は生きるのだ。その未来に向けて時間は無い。教えること、やるべきことは山ほどある。
 
どこに住むのか、仕事はどうするのか、日常生活はきちんとおくれるのか。父親は水族館の職員をしているので、なんとかそこに就職してもらおうと仕事を教える。でも、なかなか上手くできない。苛立つ父親。
 
「自分なら」と思うと、もうこれだけで胸が締めつけられるほど苦しくなる。自分が死ぬ、息子2人が残る、残された時間に何をしてあげられるのか。。
 
とはいえ、決してこの話は、ただのせつない、悲しい話ではない。最後まで見ればわかる。美しい親の愛が描かれているのだ。
 
さらにこの作品の魅力を際立たせているのが、そのスタッフである。音楽が久石譲であること。そいてカメラマンが『恋する惑星』のクリストファードイルであること。素晴らしい音楽と美しい映像。そして、息子のために奔走する父親。名作だと思う。
 
家族が寝静まった夜に見れば、次の日から子どもへの接し方が変わるかもしれない。
 
「平凡にして偉大なるすべての父と母に捧ぐ」は最後に出てくるクレジット。父と母の(特に母の)日々のがんばりなんて「当たり前」として、誰かが褒めてくれるわけではないけど、本当に子育てをしている人は偉大だと思う。
 
映画の予告編。